その他:概要
RDMkit-jpとは
研究データ管理キット日本版(RDMkit-jp)は、研究者がFAIR原則に従って研究データをより良く管理するためのガイドとして設計されています。RDMkit-jpはデータライフサイクルの様々なステップに基づいて設計されており、研究者は必要なステップを選択して適切な研究データ管理に関する知識を得ることができます。
FAIR原則の重要性
FAIRなサイエンスの根幹には、優れたデータ管理の実践があります。研究がデータ集約型へ移行していく現在では、優れたデータ管理の実践はますます重要な位置を占めつつあると言えます。
(注) FAIR: Findable(見つけられる)、Accessible(アクセスできる)、Interoperable(相互運用できる)、Reusable(再利用できる)の略
このような背景から、FAIR原則はデータの再利用を支援するインフラを改善するために策定されました。この原則の意図は、研究データの「発見可能性」「アクセス性」「相互運用性」「再利用性」を向上させることにあります。
データ作成の量、複雑さ、スピードが増すにつれて、研究者はコンピュータによるサポートに飛躍的に依存するようになりました。そのため、FAIR原則では、機械が自動的にデータを見つけ、利用する能力を高めること、また、他の研究者による再利用を支援し、知識の発見を促進し、研究の透明性を向上させることに特に重点を置いています。
より詳細なFAIR原則の成り立ちや日本語訳を知りたい方は、こちらのページも参照ください。
RDMkit-jpのねらい
研究者はこれまで以上に、データをより適切に管理し、FAIRなサイエンスの実現に貢献するとともに、研究者自身や共同研究者の生産性を高めるための適切なツールやガイダンスを必要としています。
研究者の皆さまへ - RDMkit-jpは研究データ管理のノウハウ、ツール、事例、ベストプラクティスに関する情報を提供するポータルサイトです。プロジェクトのデータ管理計画の作成に苦労していますか?それなら、RDMkit-jpがお役に立ちます。
データ管理者の皆さまへ - RDMkit-jpは研究者のためのリソースを提供するサイトであり、各機関が独自に提供するリソースを補完するとともに、研究データ管理に関する特定の課題へのガイドとなります。
研究助成機関や政策立案者の皆さまへ - RDMkit-jpは、研究者が研究の提案段階、プロジェクト全体、そして結果を発表する際に参照できるリソースです。FAIRな研究データがない場合のコストは、ヨーロッパで年間102億ユーロ(≒13,285億円)と推定されています。RDMkit-jpを利用し、データをより良く管理することで、投資の成果は国内の研究分野や経済の強化に貢献することになります。
RDMkit-jpの引用方法
本サイトを論文に引用する際は、以下のように記載ください。
国立情報学研究所オープンサイエンス基盤研究センター. "Research Data Management Kit-jp". 2022, https://rdmkit.nii.ac.jp/
RDMkit-jpは、生命科学分野の国際的なプロジェクトであるELIXIR-CONVERGEプロジェクトの一環として作成された"RDMkit"を翻訳し、日本向けにアレンジして作成されています。RDMkitに由来する資料については、https://github.com/elixir-europe/rdmkitをご覧ください。